旧へんろみち・柏坂越えのみち
旧へんろみち・柏坂越えのみち
愛媛県内の四国のみち、2つ目のコースです。国道56号が起点になり、柏の街並みを川沿いにしばらく歩き、登山口に至ります。登山口から柏坂をとおり、柳水(やなぎみず)大師・柏坂休憩地、接待松、つわな奥展望台、茶堂大師(茶堂休憩地)を通過し、宇和島市津島町の大門バス停が終点となります。延長は約10kmで、登山口から終点までほぼ山道のため、飲み物と食べ物は十分に持っていくと良いでしょう。詩人・野口雨情がこの地を好み、いくつかの詩を、地元の有志が展示しています。また、つわな奥展望台からの眺望が本コースの見所になります。目線より高く伸びる由良半島のダイナミックな景色は是非見ていただきたい。登山道からはウバメガシ、ヤマモモ等が多く育ち、柳水付近ではスギ、ヒノキが植えられています。途中からアカマツを中心とした雑木林が続いていきます。例年、秋に開催される“トレッキング・ザ・空海あいなん”の開催箇所の1つで、そのイベントに参加するのも良いでしょう。たくさんの参加者であふれ人気のイベントです。また、多くのお接待があります。
旧へんろ道・柏坂越えのみちのみち(9.8km)
撮影ポイント
認定証を希望する方は、各コースの定められた撮影ポイントで申請者自身を入れた写真を撮影してください。
近隣の観光SPOT
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柳水大師・柏坂休憩所
弘法大師がこの地を訪れた際、旅人の渇きを癒すため、柳の根元を「とんとん」と杖を突きたてたところ、甘露の水が湧き出てきたので、柳水と云うようになったといわれています。旅人の飲み水や、柏の美田を潤す元になったとか。木漏れ日の中に、幼児ほどの石像がちょこんと鎮座している像があります。いつ頃、誰の作かは定かではありませんが、その気品ある仏像の顔、形からしてどこかの高僧を感じさせる石像と言われています。柏坂休憩所には東屋とベンチ、また、地元の有志で設置されたトイレがあります。
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清水大師
ある年の夏、一人の娘巡礼がこの地にさしかかった時、余りののどの渇きに意識を失い倒れてしまいました。すると、そこへ、弘法大師が現れ、娘を揺り起こしながら、傍らにあるシキミの木の根元を掘るようにと言い、姿を消しました。意識を取り戻した娘がシキミの木の根元を掘り起こしてみると、真清水が湧き出し、娘がその水を飲むと持病の労咳がすっかり治ったという話が残っています。また、昭和15年頃までは、毎年旧暦の7月3日になると、近郷近在の力士による奉納相撲が行われ、多くの人々が集まり、市がたっていたそうです。
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接待松
ある日、病気で足の不自由な人が箱車に乗り、50人程の人々によって、大網をかけ引っ張り上げてもらっていました。丁度この地にさしかかった時、俄に一陣のつむじ風が吹き荒れ、蛇のように曲がりくねった大松が箱車を押し潰すかのように思われ、思わず、箱車から逃げ出そうとしました。そのはずみで、長年の足の病が治ったという話が残っています。また、弘法大師ゆかりの日には、地元の人達がこの場所で、お遍路さんに茶菓子の接待をしていたといわれていますが、名物となっていた大松は、昭和30年頃には伐採され、今は朽ちた株を残すだけとなりました。
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つわな奥展望台
標高約480m、この展望台からの眺望は、宇和海の大パノラマが広がります。晴れた日には、遠くに佐田岬と、九州の大分県佐賀関の製錬所のエントツ、水ノ子灯台までが見えるとか。晴れた日のつわな奥展望合からの景色には、皆、感嘆の声を出すといいます。由良半島が一望に見え、自分の目線より高く半島が見えてしまう。小さいと思っていた由良半島のダイナミックさに圧倒されてしまいます。大蛇が居るという伝説もあると聞きますが、不思議と異和感がありません。なお、つわなとは、つわぶき(石蕗)という植物のことを言います。
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茶堂大師・茶堂休憩所
上りのきつい柏坂をすぎ、宇和島市津島町側のゆるやかな道を下る途中に小じんまりとした集落が見えてきます。ここが「茶堂」と言われ、弘法大師の木像が安置されている祠があります。21日の縁日には部落の人らの線香が絶えることがないと言われています。茶堂休憩所には、東屋とベンチが設置されています。